学級崩壊の背景には、親の権威の失墜と並行した、教師の地位の低下があげられます。まず、一昔前までは、親にとっても「先生」は尊敬すべき存在であり、誰もが高い教育を受けられる時代ではなかったために、大学を卒業しているというだけでも先生は一般よりも優れた知性を持っていたわけです。それが、親も大学教育を受けていることが普通になった現代では、もはや教師は職業としてさほど「優れた」地位でもなくなったという言い方もできます。また親は親で、昔のように「子どもは黙って親のいうことを聞くもの」(子どもの数も多く、経済的にも大変でしたから、ひとり一人を尊重している余裕もなかったんですね)という態度を取らなくなり、子どもを個人として尊重するあまり、威厳を失った状態になっていきました。親と教師の地位がダブルで低下していく中で、子どもは塾や習い事、スポーツ活動などで出会う大人を重視し、親と教師の発言力や影響力がさらに小さくなっていったわけです。尊敬できない親が教育を託している尊敬できない先生…そんな構図の中で、自我に目覚める年齢の子どもたちが反抗心と自己主張を肥大化させた状態、それが「学級崩壊」と言えるのではないでしょうか。